超匈牙利傳説

さて、昨日のつづきでマジャールのお話。

実はハンガリーというのはあくまでも英語読みでハンガリー的にはハンガリーは今でもマジャールである。今でもというか最初からマジャール。そしてずっとブレる事無くマジャールである。ハンガリーというのはフン族の〜くらいの意味で多分、この辺、英国人が未だにドイッチュラントをゲルマン呼ばわりするようなモンだろうか。
...と言いたい所なのだが、wikipediaによるとハンガリーフン族由来説はガセであり、語源は『十本矢』でこれは10支族の意味らしい....アルパードが率いた最初の氏族って7つじゃなかったっけ?

Attila and the Nomad Hordes (Elite)が、当のハンガリー人がフン族由来説を信じちゃってる節があって、ハンガリーでの来訪譚とかの伝説では、出自をフン族(の王であるアッティラ)としているものが割りとあったりする。気がする。(表紙の赤い人がアッティラさん。ついでに言うと右の剣をつきつけている人は、昨日の話ででた謎国家、ボスポラ王国の兵士ということである。俺が知る唯一のボスポラ人の絵ではあるがパッと見、フランク人とそうかわりない感じ。マジャール人については年表のところで僅かに触れているが、マクブライド先生の絵は無し。)


歴史的な経緯では、ヨーロッパに侵入してブイブイいわしてたフン族をぶちのめして後釜におさまったアヴァール人を更に蹴散らしたアルパードさん率いるマジャールの皆さんが更に西進しつつフランク王国とかをヒイヒイ言わせてましたがレッヒフェルトの戦いで手痛い敗北を喫し、今のハンガリーの辺りまで後退して定住化しちゃいました。代が下がってイシュトバーン王の頃になるとキリスト教化しちゃったよ。と、まぁ大体そんな感じ。これが奇異にもちょうどAD1000年のことである。
Hungary and the Fall of Eastern Europe 1000-1568 (Men-at-Arms)その後も小生意気なワラキアをイワしてやったり、モンゴルとかクマン人とかなんか馬に乗ったのがイロイロが攻めてきてアレ?何時の間にかキリスト教圏の盾になってなくね?とか、イスラームフルボッコにされて占領地になったり、ブダとペストがバロムクロスしてブダペストになったりと、まぁ、色々と大変(ソヴィエト解体〜民主化以降くらいまでずっと)な感じではあるんだけど、今回の主題ではないので例によってパス。(左の本は年代表記の通り定住後の時代を扱ったものなので、やはり遊牧民としてのマジャールの絵はない。)

で、問題はアルパード以前のマジャールというのがどういうものだったのかさっぱりわからないんである。日本語でよめるハンガリー史というか東欧史の本自体が結構アレなんですが、定住化前のものとなるとコレがさっぱり。あっても、冒頭数ページで華麗にスルーされていたり。

そして同様にキリスト教化以前のマジャール人の信仰というのも良くわからないんである。こういう時の頼みの綱、Ye Largishe List ov Gods & Spirits(という神名録DBがある。あったのだ)は....何時の間にか消えていた。
まぁ、マジャール人の信仰なんて、一冊分にするほどの分量もないだろうから、辞典的なもの以外で本になっている事もあんまり期待できない。そこで、神話が無ければ民話に当たればいいじゃない(マリー ということで、世界神話伝説大系の33巻『ハンガリーの伝説(名著普及会)』である。
といってもこちらも余りたいした記述はありませんが。僅かにハヅールという軍神の名前がでてくる程度である。

ハンガリーの民話をあつかった本では他にちくま(asin:4003277619)とぎょうせい(asin:4324055726)のものがあるんですがこちらからは特に発見なし。調べるうちに『藭話と傳説 −ベルギー、オーストリアハンガリー(趣味の教育普及會)』なる本があることがわかる


(キングクリムゾン!



アレ?何時の間にか手元にあるよ!フゥ〜ハハァーッ!!
見よ、この無駄に赴きのある漢字表記



....って、何か強烈な既視感が...



同じ本やがな!!!!!1!

というわけで本日の教訓。


・世界神話伝説大系は藭話と傳説の改訂再発版!多分!(他のシリーズを見てないから保障はしませんが!


・ネット通販って中身確認できないから怖いよね!(まぁ、店頭でも箱つきハードカバーとかだったら中見れない事多いけど!


べっ、別に3個1だし、神話大系の白耳義と墺太利編は持ってないんだからババ引いたとか...思ってない...思ってないよ!?